矢島舞美の大きな才能

さて、大仰なタイトルで書き出してしまいましたが(笑)、いよいよ舞美の主演部隊「らん」の稽古が大詰めだそうで。
秦健日子のブログ

まず、何より、主演の矢島舞美の成長の早さ。
約二ヶ月で、完全に別人である。
「謙虚」であり「努力家」であるということは何よりの武器なのだなと、彼女を見ていると改めて気づかされる。
稽古始めの頃は、演技レベルはぶっちゃけそれほど高いとは言えなかったし、殺陣は完全な初心者で木刀の素振りも満足に出来なかった。
それが今では、堂々たる舞台女優ぶり。
昨日の稽古では、返し稽古で思わず泣かされた。十年前ならともかく、今のぼくは、稽古中に滅多なことで泣かされたりしないのに。ふと、稽古場を見渡したら、滝佳保子がやはり舞美ちゃんの演技で泣いていて、その涙を衣裳の袖で拭いていた!おい!
その上、一刀でも大変な殺陣―――「タクラマカン」のクライマックスの殺陣の三倍の量がある―――で、ただひとり、二刀流で舞台狭しと駆け回る。
まだ、多少のぎこちなさは残っているけれど、それもどんどん修正していくだろう。とにかく、驚くほど成長が早い。
聞けば、稽古時間外でも、寸暇を惜しんで自主練をしているのだという。
自分が未熟だ、ときちんと認める心の強さ。
でも、未熟のままでは絶対に終わらせないぞと、自分を叱咤する心の強さ。
きっとそういう二つの心の強さを彼女は併せ持っているのだと思う。
これからの飛躍が本当に楽しみな子である。

長々と引用させてもらいましたが、「謙虚」「努力家」という2つのキーワード。これは矢島舞美という人の持っている大きな才能を良く表している。彼女は決して最初から器用に何でも出来る子ではない。しかし、自分のダメなところを素直に認めてそれを改善していく努力を続けていく事が出来る。それによって矢島舞美の成長があって今に至っているのは彼女を見て来た人ならば疑いの無いところであろう。
おそらくこの舞台で初めて彼女を見る事になった秦氏ですが、この短期間でその事をしっかりと見抜いてくれたというのは何だか嬉しい気持ちになります。
「らん」の初日まであと少し、きっと素晴らしい舞台に仕上げてくれる事でしょう。舞美の今後も含めて本当に楽しみです。