HAKANA千秋楽

本日ミキティの主演舞台、明治座NEO時代劇「HAKANA(「いとしの儚」より)」の千秋楽を無事迎えたようで。おめでとうございます、そして、お疲れ様でした。
さて、千秋楽を迎えたという事で、そろそろ遠慮なくネタバレ感想のようなものを書きなぐりましょうかね。
僕は、2日目の19日夜公演を観覧して来ました。2階右1列で、2階席の角っこみたいな場所でした。舞台上手側がちょっと死角になってしまいましたが、全体的には観易い席だったかと思います。


まず、儚の誕生シーン。
全編で一番エロいシーンでしたな。後ろ姿のミキティがまるでスッポンポンみたいな。実際はモンゴルマンよろしく肉襦袢だかDJオズマよろしくボディースーツだか着てたんでしょうけどこれはすごかったっす。


博打のシーンとかには必ず博打の神様である賽子姫が登場します。この賽子姫は人形で、人が後ろで動かしてる訳なんですが、この賽子姫の中の人が何故か顔出し。めちゃめちゃ気になったんですけど(笑)。
しかしながら、賽子姫の演技は素晴らしかった!あの動きには引き込まれるし、何より鈴次郎最後の勝負の時、鈴次郎を見限ったというか嫉妬から復讐するような時、最後に賽子姫が笑うシーンがあるんですけど、笑った時は背筋が凍るような恐怖を感じました。一番印象に残ったシーンのひとつだなぁ。


BGMにクラシック曲が多用されてたのも印象的でした。ドヴォルザークの7番とか、ドビュッシーの海とか。あと、挿入歌のさせず太夫テーマ曲もビゼーのハバネラの替え歌でしたな。この先あの曲を聴いたらこの歌を思い出しちゃうようになっちゃうよ(笑)。


常に狂言回し的存在で登場していた青鬼。実はこれ、鈴次郎のなれの果てなんですよね。特にお芝居ではその辺の説明は無かったのですが、僕はそう受け取りました。
どの辺で気付いたかというと、鈴次郎とゾロ政との最後の勝負で、弱気の鈴次郎が丁に張った時。何故か物語の外側に居る筈の青鬼が突然立ち上がって「バカやろう、何で丁なんだ、半端者のおめえは半だろうが!」みたいな事を叫ぶ。当然鈴次郎には聞こえないんですけど。この辺りでひょっとしてこいつは…と。最後に、儚を助ける為に鬼シゲと勝負するところで確信に変わりました。
この辺りのくだりは非常に哀しいし深いですね。


結局、人間になるという儚の夢はあと1日というところで頓挫してしまった訳なんですが、鈴次郎に抱かれる為に人間になりたかった、しかし鈴次郎は今宵限りで鬼となってしまう…しかし今宵抱かれたら人間にはなれない…。
儚は鈴次郎に抱かれる事を選びました。水とはならず、花となって散った儚の夢でしたが、最後は愛する人に抱かれる事が出来た儚は幸せだったのでしょうか。
答えは人それぞれなのかも。
最後の鈴次郎の絶叫が心に響きました。
素晴らしいお芝居でした。