らん

千秋楽も大成功の内に幕を下ろしたようで、とても嬉しいです。
そんな訳で、色んな感想等つらつらと。


・月影
杉本有美さんの演じる月影が非常に印象的でした。らんの次くらいかな。
冷酷で残虐な女侍でちょっとツンデレ。らんとは対照的ながらも非常に美しい悪のヒロインでした。殺陣でらんと刀を合わせた時にはめちゃくちゃ興奮してしまった。声色がちょっとキツメだったので、もうちょっと涼しい感じだったらなお良かったかなと思いますが、その眼力には圧倒的なものがありました。
前回も気に入っていたキャラだったので今回キャストが変わった事でどうなるかなと思っていましたが全くの杞憂でしたな。
三影(彦左)とのエピソードが加えられていたのは彼女への思い入れをより強くさせました。


・それぞれのエピソード
前回と今回で最も大きく違った点と云えば、登場人物のバックグラウンド、背景をより詳細に描写したところだと云えよう。
例えば、石影月影兄妹がどうして葛城の大殿様に召し抱えられたかとか、らんやイタチがどうして赤谷に暮らすようになったかとか、小説でも描写していないような部分が要所要所に挿入されていて、お話をより深みのあるものにしていたと思います。
個人的に好きだったのは月影の親衛隊とも云うべき(本当は月影の方がずっと強いからアレなんだが)羅刹軍団の月影に対する想い。そりゃまあ確かにあんなに強くて美しい上官が居たら手下も体張るわ、って思いますよ。彼女の盾になって斬られて「彦左ぁぁぁぁぁぁ!」とか叫ばれたいもん(笑)。


・らん
で、矢島舞美扮するらんです。一途で、純粋で、そして強いという理想のヒロイン。明るい笑顔はまるで花が咲いているようだったし、その戦いぶりはまるで鬼神のようなオーラが漂っていました。特に最後の殺陣で花道の後ろから登場して来た時はその歩く姿から確かな殺気が…本当にぞっとしました。
彼女は、何を想って何の為に戦っていたんだろう?初恋の相手の為に?最初は確かにそうだった。では、最後の戦いでは?
単純にイタチの仇討ちという訳でもないんだろうなと思いますが、色んな想いが漠然と頭の中に浮かんでは消え、浮かんでは消えの繰り返しでまとまりません。しかし、最期に正太郎に斬られたのは、やっぱりわざとなんじゃないかと思うのです。


とりあえず色んな想いを文章にするのは大変なので、この位にしておきましょうかね。
今回の舞台も前回と同様に、永く心の中に刻み込まれるものだと思います。小説とともに。